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大事なのは特別な時間と空間


多くの人に助けられたから今日があるとかみしめるように語るのは、オーナーシェフの玖村健史さん(38歳)。
青蓮寺湖湖畔にある「森のレストランアーチ」。石釜で焼かれた本格的なピザが食べられるとアーチには、季節によっては、京阪神ナンバーのバイクが所せましと駐車場に並ぶ。

導かれた緑の夢
それが原点。
奈良県生駒市出身の玖村さんは20代の時、東京は六本木ヒルズで勤務していたビジネスマン。花形の広告業界、見渡すビル街。男性なら一度は夢見る光景かもしれない。ステータス的には申し分なかった。しかし、このころ玖村さんが眠ると決まってみる夢があった。その風景は母の地元でもある奈良県の山添村ののどかな風景。「こうなりたかったはずなのに見る夢が逆ばっかり見るんです。緑の風景とかね…やっぱりね向いてないんでしょうね。コンクリートジャングル。この店も山添もそうですが、山が見えるでしょ?当たり前だけど山が見えないんですよね。全く。緑を見ないでしょ?行き詰ってきてね。田舎もん特有なのかな」と笑う。

二人の夢が
実現する条件
パン職人の奥様と出会った玖村さんは、二人が一緒にできるお店を模索し始める。条件は、おいしい地元野菜の鮮度を保ちながら搬送できる距離、二人の夢を実現できる業種が成り立つ立地条件、そして緑が眺められる環境。田舎を中心に物件を探しているときに、青蓮寺湖畔のこのログハウスをインターネットで見つけ、このロケーション、立地条件に惚れ込んでしまった。家族には大反対された。
「こんな立地条件の場所で勝算があるかどうかわからないのに奥様は何も言いませんでしたか?」と尋ねると、「それ、よく言われるんですけど、逆で。妻の方が長野のペンションに住み込みで働いたり、実は僕以上にこの物件に惚れ込んだんです。それと、田舎でも流行っているお店はたくさんある。料理や雰囲気などちゃんとしたものを提供すれば絶対にお客様に来ていただけると思ったので。」自信に満ち溢れた表情を見せた。

食事も空間も
特別演出したい
森のレストランアーチでは、店の中央にある大きな石釜で焼かれた、独創性の高いピザや地元野菜を使ったパスタ、見た目にも美しい前菜。旬のものがたくさん登場するので、一度ならず二度も三度も訪れたくなる。平日は名張市内から、老若男女が訪れる。土日には京都、愛知、岐阜、奈良など他府県ナンバーの車やバイクが並ぶ。四季を通じて景色と大自然の空気を感じることができる屋外席も人気だ。また店では、ヤギを2頭飼育している。子供たちが餌を与えたり一緒に写真を撮ったり、注文した料理だけじゃなく、この空間を楽しむのが特徴的だ。
「せっかくこの空間に来てくださったのだから、最高の食事と最高の時間を提供したい。この大自然に囲まれた場所で、特別な時間を過ごして、また行ってみたい。そう思っていただきたいんです。実はもっと楽しんでもらえるような仕掛けを作りたい。まだ検討中ですが。」
大自然の息吹を感じながら、地元の人々へたくさんの愛を届ける店、森のレストランアーチで四季を感じたいと思った。

information

森のレストランアーチ
オーナーシェフ 玖村健史
〒518-0443 三重県名張市青蓮寺2177
TEL:0595-44-6722
Web:http://woodland-restaurant-arch.com/
E-mail:arch@quartz.ocn.ne.jp

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