
若き就農者と農業を変える!

とにかくかっこいい。話に裏付けがあり、言葉に重みがある。男女問わず、この人と話をすると、物事に真摯に取り組む姿勢に感動すら覚えるだろう。福廣農園代表の福廣博敏さんは、最初から農業を志したわけではない。かつて20代の頃は東京でサラリーマンをしていた。農業を始めたのは今から30年前から。農業スタート時は、トマトの専業農家をしていたそうだ。
-
真摯に農業に
取り組む。 -
一般的に「農業は生活していくのが大変だ。」という概念を福廣さんは根底から覆す。「トマトは実ものやから、どちらかというと果物に近いからおいしさの差が出やすいけど、葉ものは実はそんなにおいしさに差は出にくいわけで。じゃ、専業農家がどうやればこの市場で勝ち残っていくことができるか。それは、たくさん作ってたくさん出荷するか、安心・安全という名の付加価値を付けるか。いわゆるブランド化をするかしかない。しかし、名張のような中山間地では日照時間もそれほどよくないし、となると選択肢は一つしかない。じゃ、そこで有機や無農薬ということになったらどこに販売するか。これからは安心・安全を第一に購入する人が増えるはず。」そこで、福廣さんは15年前から、野菜通販最大手の一つである「らでぃっしゅぼーや」での通販をはじめる。らでぃっしゅぼーやは、25年以上、有機・低農薬野菜の本当においしい野菜を味わってもらおうと全国展開を続ける宅配サービスで、福廣さんは全国2600軒の中の契約農家の一軒として全国各地の会員約10万人に向けて、提供を続けている。
-
同業に進む
若手を本気で
支援したい。 -
福廣さんが力を入れているのが若手の育成だ。福廣農園には常時1~2名程度の研修生がいる。彼らには、農作物の育て方、機械の使い方などを一から教え、さらには若くして農家を志す人には、「いかに売れる農家を目指すか。」生業としての農業のやり方を1年から3年の研修期間中で伝えている。
普通の経営者なら一番話さないだろう部分を惜しげもなく彼らにノウハウを伝授する。さらには、ビニールハウスがすでに設置された土地、福廣農園所有の農機具を提供し、販路の提供を行いながら、若手農家の支援を続けている。研修期間を終えた若手農家の成長を隣で見続けながら、必要に応じてフォローをして、地域農産物のブランド化を少しずつ推進している。「新規就農者が、やっていざ農作物ができても、「そんな海のもんとも山のもんともわからん」というような状態では、新規就農したとしても物が売れない。それなら、最初から、「ああ、とりあえず名張のものだったら安心や。」そう思ってもらえたらそれに越したことはない。」安心安全、おいしい食材を効率的に作るための方法を日々研究している福廣さん。野菜を作るのに重要な成分が土にどの程度の割合で配合されていたらおいしい野菜ができるのかということをデータベース化し、現在伊賀ベジタブルファーム・代表の村山邦彦さんと共に特許申請している。
野菜を育てることは、国・言葉・環境が違っても世界共通。日本の伊賀地域の農業が世界の農業を変える日もそう遠くないかもしれない。
information
福廣農園(ゆうき伊賀の里)
代表取締役 福廣博敏
〒518-0606 名張市薦生405
TEL:0595-63-2037
back number
2023.4.19
【イベント情報紹介】青蓮寺湖ロマンの森で自然を楽しもう!森のはるかぜマルシェ2023.3.10
ジン試作品完成!原料に名張産ジュニパーベリー/発掘!隠(なばり)の名産品#132023.1.19
スペルト小麦&タネ菜製品マルシェで販売/発掘!隠(なばり)の名産品#12pick upピックアップ
2023.3.10
ジン試作品完成!原料に名張産ジュニパーベリー/発掘!隠(なばり)の名産品#132023.1.19
スペルト小麦&タネ菜製品マルシェで販売/発掘!隠(なばり)の名産品#122022.12.8
旬到来!今季もタネ菜の収穫&販売スタート/発掘!隠(なばり)の名産品#102022.10.26
ついに完成!名張初のスペルト小麦/試作も開始/発掘!隠(なばり)の名産品#9