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季節の恵みを楽しみながら頂ける「青蓮寺湖観光村」


 

名張市の特産品の1つであるぶどう。そこかしこで「ぶどう直売」の幟(のぼり)を目にすると、秋の足音が聞こえてくるようだ。
そんな秋の実りを楽しもうと、多くの人がぶどう狩りに訪れる「青蓮寺湖観光村」。
7月20日から10月31日まで開園しており、時期によって様々な品種のぶどうが味わえる。

 

 

ぶどう生産の始まりと、観光農園としての歩み

青蓮寺湖周辺でぶどうの生産が始まったのは昭和20年代。この場所は、盆地であること、朝晩の寒暖差が大きいこと、雨量などの条件がぶどうの生産にとても適している。
恵まれた環境や気象条件によって、色づきが良く、糖度の高いぶどうが採れるのだ。

 

 

ぶどうの生産・出荷から始まった農園だったが、青蓮寺ダムが完成した昭和45年、青蓮寺湖周辺の農園が集まって「青蓮寺湖観光村」としてぶどう狩りをスタート。大阪や愛知など、近隣都市からのアクセスがいいこともあり、最盛期にはシーズン中に10万人もの集客をみせた。

 


ぶどう狩りだけではなく、一年を通して味覚狩りを楽しんでもらいたい。と、ハウスでのいちご狩りも開始。
その後、芋堀体験、釣り堀なども加わり、観光農園として様々なアクティビティーを提供している。

 

 

 繋いでいきたい美味しいぶどうと観光農園

 

令和2年には50周年を迎える「青蓮寺湖観光村」。ぶどう組合発足当時には34、5軒もの農園が加盟していたが、現在、運営しているのは15軒のみ。
ぶどう組合広報担当の森本博次さんは「農園は天候に左右されるので、安定した収入を望む生産者や、跡取りなどの問題でやめてしまった農園がたくさんあります。今も、生産者の高齢化が進んでいるので農園は減る一方かもしれません。」と顔を曇らせる。
しかし、悲観してばかりではいられない。毎年、ここのぶどうを楽しみにしている常連客や、遠方から足を運ぶ人が多くいるのだ。

 


森本さんはシーズン前に、パンフレットを持って旅行社を回り新規集客を図ったり、雨でもぶどう狩りが楽しめるように園内に屋根を設けたりと、観光農園を盛り上げようと精力的だ。また、ここで採れたぶどうを使用して、ジュースやジャムなどの加工品の販売も始めた。

 

 


担い手の問題にも、移住者や新規就農などを視野に入れて取り組み始めているという。
さらに「少し先になりますが、一度に数種類のぶどうの食べ比べを楽しめる農園にしたい。と考えています。」と、次なる目標を語った。

 

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青蓮寺湖観光村 ぶどう組合

〒518-0443

三重県名張市青蓮寺976

TEL : 0595-63-7000

E-mail : info@s-budou.jp

HP : http://www.s-budou.jp

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