シュタイナー教育を実践「こども園まきば」
シュタイナー教育という言葉を耳にしたことはあるだろうか。
オーストリア生まれの哲学者、ルドルフ・シュタイナー氏によって提唱され、日本でも取り入れられている教育法だ。
名張近郊で唯一、シュタイナー教育を実践しているこども園まきば。そこで実行されるのはどのような教育法なのか。竹中輝代園長にお話を伺った。
子どもが子どもらしくいられる場所
自然がいっぱいの園庭を通り園舎内に入ると、木のぬくもりを感じる暖かな空間に、淡い桃色のカーテン、木や布等のシンプルな「素材」でできたおもちゃがあった。
シュタイナー教育では「7歳まではからだの基礎をつくる時期」と言われていて、刺激を与えすぎない方がよいと考えられている。
穏やかで安心できる”おうちのような”環境の中、毎日同じリズムで過ごし、安心して思いっきり体を動かし遊ぶ事を大切にしている。
元々公立保育園に勤めていた竹中園長がシュタイナー教育の本に出会い、「これが私がやりたかったことだ!」と思ったそうだ。
木のぬくもりを感じる園舎内。
季節のテーブル(四季に応じた状景を表現)
カーテンに包まれるような安心できる空間。
斜面も子どもたちは元気いっぱい駆け下りる。
繰り返しのリズムを大切にした、園での生活
同じリズムを繰り返すことが世の中への安心と信頼に繋がるという考えから、園での生活は繰り返しのリズムが大切にされている。
また、この繰り返しのリズムは意志の力も育てる。
毎日、毎週、毎年。同じリズムを繰り返すことで”待つ楽しみ”もうまれるそうだ。
一年を通して季節に応じた様々なイベントが行われているのだが、今回準備が進められていたのがりんごろうそくまつり。
1年でもっとも闇が深まり、人々の意識が内へ内へと向かうこの季節に子どもたちの手作りのりんごろうそくに光を灯し、闇の中に光を見い出すことで希望の光を感じ、クリスマスを楽しみに待つ体験をするというもの。
その他にオイリュトミーやライゲンといったシュタイナー教育ならではの表現も行われている。
りんごろうそくまつりの様子。
田植えや稲刈りなど、季節ごとの行事も充実している。
毎週火曜日に行われる「にじみ絵」はにじみ絵専用の絵の具を使う。
身体を作る食事にもこだわりを
子どもたちの身体を作る大切な食事にも、有機農法の無農薬米と旬の無農薬野菜を使っている。
玄米と野菜のおかずとお味噌汁。お昼寝のあとには素朴なおやつをいただく。
水曜日は天然酵母のパンをいただくそうなのだが、月曜日に酵母づくり、火曜日にパンの形成、水曜日に焼き上げるという過程を全て子どもたちも一緒に行う。
食事を作るスペースはまるで家のキッチン。子どもたちもお手伝いをする。
「特別な事ではなく、当たり前のことを大切に。」
まきば園では縦割り保育を行っており、満3歳のお誕生月から入園することができる。
3歳から6歳の子どもたちが、自分にできることをそれぞれが助け合いながら生活していて、まるで兄弟姉妹のように仲睦まじい。
シュタイナー教育は一見難しそうに思えることもあるが、「何か特別なことをするのではなく、子どもとして当たり前のことを大切に。」といった竹中園長先生の言葉通り、子どもたちはみんなのびのびとしている。
子どもたちは言葉で言われた事を聞くのではなく、大人の真似「模倣」をするので、日々の生活でも大人が手本を見せることが大切なのだと教えてもらった。
竹中園長とともに、シュタイナー教育の観点から子どもの成長に関する本を読む「まきば読書会」という取り組みも月に一度行われており、子育てについてのヒントを得たり学びを深めることができる。
また年に一度、講師の先生を招いて開かれるひつじの会主催の子育てに関するセミナーもあるので、どちらもぜひ参加してみて欲しい。
information
こども園まきば
〒518-0755 三重県名張市緑が丘中1
TEL:0595-61-2688
https://www.kodomoen-makiba.com/
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