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土産物屋「たまきや」から生まれた名張の名物スイーツ「へこきまんじゅう」


 

ほっこりしたお芋の食感と、そのユニークな名前で愛されている「へこきまんじゅう」。
まんじゅうを店先で焼きながら、赤目四十八滝を訪れた人々を温かく出迎えているのが「たまきや」だ。
土産物屋から始まったこの店には、みんなで支えあうあったかい家族の姿があった。

 

土産物屋「たまきや」から生まれた名物スイーツ。

忍者の修業場だったという赤目四十八滝。名水百選に選ばれるほどに美しい水源と、四季折々の景観が楽しめる渓谷は、滝を見ながらハイキングが楽しめる人気の観光スポットである。
昭和32年、玉置春雄さん、よう子さん夫妻が「たまきや」を創業。わらじや民芸品などを売る土産物屋として商売を始める。
45年には民宿の経営も始め、赤目の観光を担った。
数十年後には息子である武史さん、弘美さん夫妻が加わり、親子2代で家業に勤しんできた。

今や赤目の名物スイーツともいえる「へこきまんじゅう」。その誕生のきっかけとなったのが「たまきや」の新しい商品として始めたまんじゅうだ。観光客の関心をひくように、赤目に縁のある忍者を模した「忍者 福笑門」というオリジナルキャラクターを考え、それをまんじゅうの鉄型にした。


2000年に販売を開始したものの、小麦粉の生地にあんこが入った“ありきたりなお菓子”に客の心をつかむことは難しかった。鳴かず飛ばずのまま2年が過ぎ、何か他にいいものはないかと頭を悩ませる日々が続く。
そんな時、弘美さんの脳裏にふっと浮かんだのがさつまいも。「遊歩道を歩いて帰ってきた人たちは、ほくほくとして温まるものが食べたいんじゃないかな。」そう思って、さつまいもを使ったお菓子の試作が始まった。

 

偶然の産物といえる、記憶に残るネーミング。

2002年、ついに新しい商品が完成。さつまいもを蒸して練った生地を、打ち出の小槌を持ち、にっこり笑った「忍者 福笑門」の鉄型で焼き上げた。

 
家族みんなで集まって試食会をしているとき「ぷぅ~」っと武史さんのおならが響いた。
「これは食べたら屁が出るから、へこきまんじゅうや!」
そんな嘘みたいな、そのままなネーミングで「へこきまんじゅう」が誕生。

さつまいもの素朴で優しい味わいと、食べるとおなかの中からほっこりと暖かくなる「へこきまんじゅう」は、一躍大人気商品に。味もさることながら、一度聞いたら忘れられないユニークな名前に興味をそそられて店に足を向けた人も多くいるだろう。

さらに近年は、赤目を飛び出して、北は北海道から南は九州まで、催事等で出店を行い全国各地で反響を呼んでいる。
弘美さんのアイデアと、武史さんの最高のタイミングのおならから誕生した「へこきまんじゅう」は「たまきや」の、そして赤目四十八滝の看板商品になった。

現在は、武史さん、弘美さん夫妻の娘である悦子さん、友圭子さん姉妹も家業に加わっている。
家族で和気あいあいと商品開発をし「へこきまんじゅう」はバラエティー豊かに。さつまいもの生地のみで焼かれている元祖へこきに加えて、中に様々な餡が入ったものが全6種類。さらに、通販のみで購入できる「プレミアムヘコキ」や、パイ生地にさつまいもクリームが入った「へこきでしゅう」、夏のシーズンに販売される「へこきアイス」もラインナップに加わっている。

 

 

新しい世代が担う、新しい試み。

玉置家のもう1つの家業である民宿は「アカメグリーンビレッジホテル」としてリニューアル。

 

そのホテルで2018年から悦子さん、友圭子さん姉妹が曜日限定の「sankaku café」を始めた。
幼い子どもを育てる2人だからこそできる居心地のいいカフェは、子どもと一緒に利用しやすいと、同じ子育て世代の人々から人気だという。

 

 
小さい頃から、祖父母、父母の手伝いをしながら赤目で育った2人は、赤目を盛り上げたい!と、カフェでライブイベントを開催したり、新しい企画を考えたりと精力的だ。
さらに、友圭子さんの夫が週末限定で「たまきや」の2階で「NICHIYOU café」をオープン。おしゃれな雰囲気でランチや、お茶が楽しめる。

 

 

笑顔で繋ぐ、親子三代の歴史とこれから。

 

 

「自然豊かで、とても良い場所だからもっとたくさんの人が来てほしい。私たち世代の力でもっと盛り上げていきたいと思っているんです。」と笑顔で話してくれた友圭子さん。
これから、赤目の新たな魅力を生み出していってくれるだろう。

 

Be たまきや

information

たまきや
〒518-0469 三重県名張市赤目町長坂720-1
電話番号:0595-63-0113
https://www.hekoki-fukuemon.com/

 

 

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