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伝統芸能を後世に残したい!名張子ども狂言の会


 

観阿弥創座の地、名張

名張市小波田は観阿弥創座の地であるといわれている。

伊賀市で生まれ、後に能楽の大成者となった「観阿弥」は妻の出生地である名張市小波田で初めて猿楽座(後の観世座)を建てたそうだ。

観阿弥ふるさと公園となっている旧福田神社境内には「観阿弥創座之地」の記念碑や能舞台があり、毎年11月の第1日曜日には「観阿弥祭」が開催され、市内の能楽団体により仕舞や連吟、名張子ども狂言の会による狂言などが演じられている。

 

名張の能楽に貢献してきた森本さんの想い。

名張市観阿弥顕彰会の顧問であり、名張市の文化振興アドバイザーの森本孝子さんは祖父が観世流のお謡をなさっていた事で、幼い頃から能楽が身近なものだった。

祖母手縫いの着物を着、花柳流の日本舞踊やお花を習う森本さんに礼儀作法を教えた祖母の元には嫁入り前の娘さんたちが花嫁修行に通っていたという。
女学校時代に先輩に誘われ、観世流の能の舞台を鑑賞しに行ったことで再び能の素晴らしさを実感し、女学校を卒業後、能の世界へ。
大阪で生まれ育った森本さんが名張に転居後、PTAや教育に携わる様々な活動をしていく中で名張が観阿弥創座の地であると知り、名張市の能楽についての取り組みにも深く携わっていくこととなる。

小さな頃から芸術に触れて育つことで、心が豊かな人間になれる。と語ってくれた。

伝統芸能を後世に残したい!名張市小波田地区の取り組み。

観阿弥顕彰会は、能を大成した観阿弥ゆかりの地である名張で子ども達に伝統芸能の狂言に触れてもらおうとの想いから、1991年に「名張子ども狂言の会」を創立。
創立当初は創座の地とされている上小波田地区、下小波田地区の小学3年生から中学3年生の子ども達中心だったが、少子化が進む現在、美旗地区の幼児から中学生までが京都の大蔵流の狂言師、茂山七五三(しめ)さんと長男の茂山宗彦(もとひこ)さんの指導を受け、月に1~2回、狂言の稽古に励んでいる。

 

子どもたちに日本の伝統芸能を伝えていきたいという想いを胸に、子ども狂言の会の稽古指導をしてくださっている茂山宗彦先生。

「辛いお稽古だったら続けたいと思わないでしょ?楽しい教室にしたい。だから偉そうにしたくはないし、お稽古も楽しいものでなくてはならない。」

と語ってくれた。

現在指導を受けているのは11人。

子どもたち全員が、お稽古は楽しく、行きたくないとか辞めたいと思ったことはないそう。

さらに最年長の中学3年生、竹島彩結さん(左)と福島満紀さん(右)は、日本の伝統文化に触れるという貴重な体験ができる事が嬉しいと語ってくれた。

 

小学校4年生から狂言の稽古に参加したという、岩江琢海さん。
一度は狂言から離れていたが20歳となった現在、やはり狂言を続けていきたいと京都の教室に通っている。
茂山先生が来てくれる合間に子ども達にアドバイスや指導もしている。

稽古後に地域の仲間達とお菓子を囲むひと時も、子ども達の楽しみのひとつになっている。

年齢はバラバラだが、みんな仲が良い。

 

幽玄の舞台を楽しむ。名張薪能

薪能の起源は平安時代中期にまで遡る。

夜間、能舞台の周囲にかがり火を焚き、その中で演じる能楽を薪能と言う。

名張市では13年ぶりに薪能が行われた。

和気あいあいとした雰囲気の練習とは一変。心地良い緊張感が感じられる薪能本番の大舞台。

名張市には「名張子ども狂言の会」の他、「名張こども能楽囃子教室」など能を習っている団体や、「名張音頭保存会こどもの部」、「伝統文化こども舞踊教室」など古典芸能を学び、練習している団体が沢山あり、子どもたちも楽しく学んでいる。

『観阿弥創座の地名張』は次の世代にしっかりと伝承されていくだろう。

 

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Information

名張市観阿弥顕彰会 「名張子ども狂言の会」

〒518-0701 名張市鴻之台1-1
名張市役所 生涯学習室 内 事務局
TEL:0595-63-7892

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